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グラデーションや遷移もあるから人間的……3つの「性」⑤

  • 執筆者の写真: 永易至文
    永易至文
  • 6月18日
  • 読了時間: 2分

更新日:8月25日

人間のセクシュアリティを構成する3つの要素は、それぞれが微妙なグラデーションを示すことがあります。さらに、長い人生の途中でそれが変化したといったこともあります。


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固定的に思われる身体的性別も、性分化疾患(インターセックス)と呼ばれる状態があります。性染色体、性腺、内性器、外性器が典型的な男女の身体にあてはまらないかたちで生まれることを指します。社会的には誕生時に男女いずれかの性別で登録されますが、のちに性別を訂正したり、性別に適合するようホルモン補充療法などの治療が行われることがあります。トランスジェンダーと混同して認識されることも含め、本人の性別をめぐってさまざまな誤解や偏見にさらされてきました。


性的指向でも、同性愛/異性愛のほかに、すでにご紹介したバイセクシュアル(両性愛)や性愛的指向が乏しいアセクシュアルがあります。このほか、男性・女性等の性の分類に適合しない人も含めあらゆる性別の人々に恋愛感情や性的願望を抱く性的指向をパンセクシュアル(全性愛)と呼んでいます。


性自認では、男性・女性のいずれとも自認しない、わからない、性別を決めたくない人をエックスジェンダー(和製英語)と呼んでいます。英語ではノンバイナリーと言います(バイナリーは男女の二元制。二元制にあてはまらない、の意)。性の多様性への理解が広がるなかで、東京五輪のスケボーに出場したアラナ・スミス選手や歌手の宇多田ヒカルさんなど、ノンバイナリーを自己のありかたとして表明する人もいます。


固定的に決めつけないで、クエスチェニングなあり方を自分だとする人もいます。


そして、それらが長い人生のあいだで変化した、と述べる人もいます。だんだん自分の内心について認識を深めていった結果かもしれません。


昔はなんでも男か女かで雑に2元的に割り振っていましたが、性の多様化への理解の広がりを受け、若い世代はこうしたセクシュアリティに繊細な感覚をもつようになり、自分のセクシュアリティを公言したり服装などでも自由に表現するようになっています。

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