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性別に関するアイデンティティ「性自認」……3つの「性」②

  • 執筆者の写真: 永易至文
    永易至文
  • 6月6日
  • 読了時間: 2分

更新日:7月31日

当然ですが新生児には、男や女という性別の意識はありません。周囲の大人たちが自分を、男の子、女の子と呼んでいるのを認識するのはいつごろなのでしょうか。

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人間社会は、制度的にも文化的にもあらゆるものが男女で分けられています。嗜好も言葉遣いも服装や髪型も、そして職業の選択から価値観や生き方までも……。もちろんその性別のあり方は、時代や地域によってさまざまなわけですが。


そうした、社会に規定・形成された性別を、身体が生まれ持った生物学的な性差に対して社会的性差、英語でジェンダー(gender)と呼んでいます。


人はジェンダーにはずれたことをすると笑われる。親や先生に叱られる。ときには家庭や会社、社会から排斥される……。そのため人は育ちのなかで社会のなかのジェンダーを学びとり、身につけ、自分の性別的な自己意識を形成してゆきます。それをジェンダーに関するアイデンティティ、ジェンダーアイデンティティ(gender identity)と言い、日本語では性自認と訳しています。エリクソが提唱した

アイデンティティを自己同一性と訳しますから、性同一性と訳すこともあります。


性自認を形成する際に、もっとも参照されるのは、自分の身体の性別でしょう。


多くの人は、身体の性別に対応するジェンダーに大きな違和感なく適合しますが、なかには違和感をもち、ときには反対のジェンダーになじむ感じをもつ人もいます。そうした人をトランスジェンダーといい(transは「反対側」「越えて」「変えて」を意味するラテン語の接頭辞)、とくに違和感のない人を、「同じ側」を意味する接頭辞シス(cis)をつけてシスジェンダーと呼びます。


自身の性別に違和感を感じた最初の経験は、七五三のときの晴れ着だったと述懐するトランスジェンダーの声もあります。自身のなかで形成される性別の認識と、周囲が期待する性別とのずれは、比較的早い時期から感じられているようです。



*このコラムは、台東区の公式見解を表すものではありません。

 
 
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