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SOGIとLGBT

  • 執筆者の写真: 永易至文
    永易至文
  • 3 日前
  • 読了時間: 2分

 2010年代以後、LGBTという言葉をよく聞くようになりました。ゲイ(男性同性愛者)、レズビアン(女性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダーの頭文字をとったものです。元来は性的マイノリティの人権回復を求める当事者の連帯を表す言葉として、1990年代ごろから英語圏で使われ始めました。いまは幅広く、性的マイノリティの総称としても使われます。


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 日本でこの言葉が紹介され始めたころは、「LGBTの男性」などという当事者からすると違和感のある使われ方も見かけました。LGBTのL(レズビアン)は女性なのにどういうこと?と不思議に思ったものです。また、「進むLGBT支援」という見出しの記事を読むと、それはトランスジェンダーへの対応の話で、少々誤解を招く場合もありました。

 ある雑誌に「LGBT、もはや知らないでは済まされない」という特集タイトルを見たことがあります。記事の内容は啓発的でしたが、当事者としてはなんとなく「腫れ物」にされたような感じもします。

 LGBTという言葉には、認知を広げる効用がある一方、人びとのなかから性的マイノリティを「理解や配慮が必要な特別な人」として括り出すような違和感も、当事者としては感じます。

 近年は国際人権法などの議論で、SOGI(ソジ)という言葉を目にします。SOはセクシュアルオリエンテーション(性的指向)、 GIはジェンダーアイデンティティ(性自認)の略です。SOGIに関する配慮(性自認や性的指向において少数派が不合理な対応をされない)とか、SOGIハラスメントなどの用法が見られます。

 性自認と性的指向はすべての人にあてはまる概念なので、SOであれGIであれ、誰もが自分自身のこととして考えることができます。セクシュアリティを性的マイノリティだけの問題とせず、すべての人が「自分事」にするための概念といえるでしょう。

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