成長期におけるつらい経験
- 5 日前
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同性愛やトランスジェンダーの若者たちは、どういう学校時代を送るのでしょうか。

子ども当事者に聞くことはなかなか難しく、大人になってから振り返ってもらった調査ということになりますが、前掲の日高庸晴さんたちの調査では、
「ホモ・おかま」といった言葉によるいじめ被害を経験した人……60%
自殺を考えたことがある……65.9%
自殺未遂の経験がある……14%
といった数字がありました。
日高さんたちの研究チームは、「REACH Online」の名称で現在まで約20年、日本のゲイ・バイセクシュアル男性のインターネット調査を続け、多くの貴重なデータを積み重ねていますが、はじめての調査以来、一貫してゲイ・バイセクシュアル男性の抑うつ傾向や自殺念慮の高さ、実際の自殺未遂、いじめ被害、不登校や自傷行為の経験の高さは変わらないといいます。また、既存の心理尺度を用いて回答者のメンタルヘルスの状況を分析したところ、若い世代において不安や抑うつ度が強く、自尊感情の低いことがわかったといいます。
上述のように、こうした調査は大人になってから振り返っての回答ですから、自殺を考えたり実際に自殺未遂を起こしたり、いじめや不登校を経験をした人が積極的に応じている傾向は否定できませんが、それを割り引いても異性愛者の同年代よりもメンタルヘルスの状況が悪いことは確かでしょう。日高さんは、異性愛の若者との別の対比調査で、ゲイ・バイセクシュアルの若者が自殺念慮をいだく割合は異性愛の若者とくらべて6倍高いという報告もしています。
こうした傾向は前掲の中塚幹也さんのトランスジェンダーに対する調査でもうかがえます。思春期時の経験として、不登校(29.4%)、自殺を考えた(58.6%)、自傷・自殺未遂(28.4%)、ほかの精神疾患も診断されているもの(16.5%)という結果が紹介されています。
ゲイ・バイセクシュアル男性でも、またトランスジェンダーでも、総じて自殺念慮をいだく割合がとても高いことが目をひきます。
現在、政府の「自殺対策総合大綱」では、自殺のハイリスク層であり配慮を要するグループとして、「性的マイノリティの方等に対する支援の充実」も掲げられています。



