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プロジェクトの告知・活動報告や、性の多様性に関するコラムなどを掲載するウェブサイトです。
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性的マイノリティの子ども・若者


大学のなかの性的マイノリティ
子ども・若者の居場所についてご紹介しましたが、大学生の場合、大学のLGBTサークルが大きな役割を果たしています。 近年は多くの大学にLGBT当事者のサークルがあります。軽い活動では、ランチやお茶会をしながらダベる、飲み会、メーリングリストや掲示板で交流、などなど。「生協のテラスでテーブルに置いたレインボーフラッグが目印です。気軽に来てください」なんてSNSで呼びかけていたりします。活動っぽいことなら読書会、旅行・合宿、学園祭企画や学内イベント(講演会や映画会、さては演劇など)、フリーマガジンの制作、学外のパレードイベントなどへの参加、他大学サークルとのインカレ活動などなど。 大きな大学で歴史もあるサークルだと、卒業生がいろんな会社にいたりするので、就活サークルの一面も。「先輩、この会社、カミングアウトしても大丈夫っすか?」「見かけは性別移行してますが戸籍変更まだなんです。それでもOKな会社ですか?」ーーそんな情報も聞けるようです。 欧米の大学でLGBTサークルは、70年代に同性愛者の活動が勃興したころに始まります。現在も、日本で悩んでいた当
5 日前


学校や家庭が、LGBTの子どもに安心な場となるために
行政や民間での“居場所”や“しゃべり場”についてご紹介しましたが、一番大切なのは、学校が性的マイノリティの子どもにも安心できる場所になることでしょう。仮に、当事者の人口割合を5%としても、教室に1人か2人、当事者の子どもがいる可能性があることになります。 いま、先生たちの官民の研修でも、LGBTのテーマは熱心に取り組まれ、書籍やパンフレットも多数刊行されています。 こうした動きを後押しするものに、前項であげた2015年4月30日に文科省から出された通知「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」や翌年発行した教職員向け資料集があります。トランスジェンダーの子どもたちに対して、学校生活の各場面----たとえば服装、髪型、更衣室、トイレ、呼称の工夫、そして水泳や修学旅行などでの具体的支援についての指針や例を紹介しています。また、「以上の内容は、画一的な対応を求める趣旨ではなく、個別の事例における学校や家庭の状況等に応じた取組を進める必要がある」として、寄り添うことの大切さを訴えています。 この通知では、「性同一性障害」に
5 日前


LGBTの子ども・若者が集える場を広げていこう
安心して当事者の若者が集える場は、どのようにしたら実現できるでしょうか。 近年は当事者団体が「LGBTコミュニティセンター」を開設する例があります。そこでは当事者が安全に過ごせ、スタッフと話したり、本や資料を読んだり、さまざまなプログラムに参加することができます。相談を利用することもできます。 センターやプログラムの運営には、子ども・若者の孤立孤独対策や自殺予防対策に関するさまざまな助成金が活用されています(前項で紹介のとおり、政府の「自殺対策総合大綱」では、自殺のハイリスク層であり配慮を要するグループとして、「性的マイノリティの方等に対する支援の充実」も掲げられています)。 東京や大阪では協賛する企業のスポンサードを受ける大規模な施設や、地方都市でも、性的マイノリティにかぎらず不登校、引きこもり、貧困、自殺予防、依存症、メンタルへルスなど、「生きづらさ」と言われる課題に取り組む人々が共同して運営する施設も見られます。 固定した施設がないところでは、行政や公立の男女共同参画センターなどが、LGBTをテーマとする「しゃべり場」を、当事者団体
5 日前


安心して集える居場所の必要性
性的マイノリティの若者たちには、どういうサポートが必要なのでしょうか。私は3つあげたいと思います。 一つ目は、安心して当事者が集える場です。性的マイノリティの当事者が集まる場というと、新宿二丁目などをあげるかたがいます。当事者が多く集まる有名な場所で、そこで得られるものはたしかにあるでしょうが、基本的に“夜の街”であり、お金がなく自分で判断する力が十分でない若者が安全に過ごせる場所ではありません。もちろん学齢期の子どもたちには適しません。 都会の繁華街には、自分の環境----とくに地方の環境に耐えきれなくて家出のようにして出てきた若者もいます。しかし、都会での生活資金に困ると、大人に性を売ることで生き繋ぐ場合もあります。お金のために、危険な薬物の使用を強要されたり、性的搾取にあうこともあります。 お酒や薬物、性的搾取が介在せず、自己決定とプライバシーの安全が担保された場所で、自分とおなじような年代の当事者と集える場が必要なのです。「性的マイノリティは自分だけではない」ということを五官でもって感じられる場所です。昼間に開かれているということも
5 日前


文科省資料の変遷から見る“学校と性的マイノリティ”
性的マイノリティの子どもと学校とのかかわりを理解するために、ここで文部省・文部科学省が性的マイノリティについて触れた文献をご紹介しましょう。 1979年に文部省が刊行した教師用の指導書『生徒の問題行動に関する基礎資料――中学校・高等学校編』では、「同性愛」が「倒錯型性非行」のひとつとして挙げられていました。 この指導書では、同性愛を「性的な行為が同性間で行われる場合」と定義し、「同性愛は、アメリカなどでの“市民権獲得”の運動もみられるが、一般的に言って健全な異性愛の発達を阻害するおそれがあり、また社会的にも、健全な社会道徳に反し、性の秩序を乱す行為となり得るもので、現代社会にあっても是認されるものではないであろう」と記述し、「専門機関による治療が望まれる」としていました。当時の性的マイノリティへの認識がうかがわれ、逆に興味深い資料です。 この指導書は、1994年に同性愛者の当事者団体による申し入れから、記述の削除と改訂がされました。 直接否定しないかわりに、“黙殺”するという対応もありました。 現在、特別な教科として実施されている道徳科
5 日前


学校と“隠されたカリキュラム”
私たちの性やジェンダーに関する認識や理解の形成は、学校とも大きな関係があります。 人間には生物学的な性があること、社会には性にもとづくさまざまな違いがあることを、子どもたちは学校という集団を通過するなかで感得し、身につけていきます。たとえば、昔は教室で先生がこんな声かけをする場面があったかもしれません。 「はーい、男子はまえ、女子は後ろに並んで〜」 「男子は机運んで、そのあいだに女子は飾りつけしてください」 クラスでお楽しみ会をするのでしょうか、楽しそうな雰囲気です。そして気さくな先生なら、ふざけている生徒に対し、 「なんだお前たち、男同士くっついて。ホモなのか?」 そしてみんなはどっと笑い、その男の子たちも頭をかきながら離れたり……。いささか戯画化して描きましたが、こんな一コマ一コマから子どもたちは、男女の別、性別で規定される役割とその序列、そしてそこからはずれた振る舞いはすべて忌避され、笑われるものであることを敏感に嗅ぎ取り、学んでゆいきました。自分の学校時代を振り返って思い当たることはないでしょうか。 日々接する教師の言葉だけではあ
5 日前


性的マイノリティの子どもたちが抱える3つの困難
ここで性的マイノリティの子どもや若者たちが直面する困難を、整理してみましょう。 1つ目には、自分が性的マイノリティであることに気づいても、自分を受け入れられない、受け入れることがとても困難であるケースが多い、ということです。社会の性的マイノリティに対するイメージ、おもにはバラエティ番組での取り上げ方や、“夜の世界”といったイメージから来るものでしょうが、それらのイメージが強く、子どもが「自分はそうなのである」と受け入れることのハードルが高いのです。 2つ目には、もし自分がそうだと気づいても、そんな自分をぜったい人に知られないよう“素の自分”を隠す。つまり嘘をつきながら生きなければならないケースが多いということです。友だちとの“恋バナ”にも、好きな同性を異性に置き換えて話すことになり、ついた小さな嘘はかならずどこかにほころびが生じ、それをとりつくろうと、嘘は雪だるまのようにどんどん大きくなって、ときには自分を押しつぶすこともあるのです。 自分を固く秘めて生きるということは、自分とおなじような仲間に出会うことも難しくさせます。もちろん、現代はイ
5 日前


成長期におけるつらい経験
同性愛やトランスジェンダーの若者たちは、どういう学校時代を送るのでしょうか。 子ども当事者に聞くことはなかなか難しく、大人になってから振り返ってもらった調査ということになりますが、前掲の日高庸晴さんたちの調査では、 「ホモ・おかま」といった言葉によるいじめ被害を経験した人……60% 自殺を考えたことがある……65.9% 自殺未遂の経験がある……14% といった数字がありました。 日高さんたちの研究チームは、「REACH Online」の名称で現在まで約20年、日本のゲイ・バイセクシュアル男性のインターネット調査を続け、多くの貴重なデータを積み重ねていますが、はじめての調査以来、一貫してゲイ・バイセクシュアル男性の抑うつ傾向や自殺念慮の高さ、実際の自殺未遂、いじめ被害、不登校や自傷行為の経験の高さは変わらないといいます。また、既存の心理尺度を用いて回答者のメンタルヘルスの状況を分析したところ、若い世代において不安や抑うつ度が強く、自尊感情の低いことがわかったといいます。 上述のように、こうした調査は大人になってから振り返っての回答ですか
5 日前


性的マイノリティの子どもたちは、いつ“気づく”?
このコーナーでは、性的マイノリティの子ども・若者の置かれた状況を理解していただくための内容を掲載します。 性的マイノリティであることは、成人以後の話に限定されません。子ども・若者のなかにも、性的マイノリティはいます。 性的マイノリティは、自分がそうであることにいつ気づくのでしょう。 ゲイ・バイセクシュアル男性を対象にインターネット調査を続けている日高庸晴教授(宝塚大学)が、1999年にはじめて行なったインターネット調査の結果(有効回答数1025人)を平均すると、 13.1歳でゲイであることをなんとなく自覚し、 13.8歳で同性愛・ホモセクシュアルという言葉を知り、 15.4歳で自分は異性愛者ではないかもしれないと考え、 17歳でゲイであることをはっきり自覚した、 と紹介していました。ひとつのものさしとして興味深いと思います(データは日高庸晴『LGBTQ+の健康レポート--誰にとっても心地よい医療を実装するために』医学書院、2024年)。 これらの時期は中学・高校時代にあたり、第2次性徴や思春期の時期に重なります。学校という同質性の
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